劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』

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劇場版「RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]君の列車は生存戦略」
公開記念舞台挨拶オフィシャルレポート

5月5日(木・祝)こどもの日、グランドシネマサンシャイン 池袋にて劇場版「RE:cycle of the PENGUINDRUM[前編]君の列車は生存戦略」公開記念舞台挨拶が開催された。舞台挨拶は本編上映前と後の2回行われ、高倉冠葉役 木村昴さん、高倉晶馬役 木村良平さん、高倉陽毬役 荒川美穂さん、荻野目苹果役 三宅麻理恵さん、幾原邦彦 監督が登壇。本レポートでは、上映後ということで、前編のネタバレありのトークで終始盛り上がった1回目の舞台挨拶の模様をお届けする。

上映後、司会進行の 結さんが登場し、「ROCK OVER JAPAN -トリプルH featuring プリンチュペンギン-」のBGMに合わせて、キャスト・監督一同が舞台に登壇。公開から一週間が経った中、映画を観た人たちの反応や反響をまだあまり実感していない…という監督に対して、昴さんが客席に向かって「(感想を)届けて〜!」とツッコミを入れ、会場から笑いと大きな拍手が湧いた。

前編についての感想を聞かれた監督は、「(TVシリーズを再構築ということで、)どうしてもダイジェストになりがちなってしまうので、キャラクターの気持ちにフィーチャーしてカットをつなげようということで、このような形になった」とまずは今回の劇場版の構成について語った。その話を受けて昴さんは、「10年前に放送した『輪るピングドラム』という作品をもう一度観るというよりも、新しい作品を観ている感覚になった。それが素晴らしい」と話し、特に冒頭の実写映像を駆使したシーンでは、現実の世界に彼らが存在しているような、不思議な印象を受けるとのこと。さらに、キャスト陣一同が声を揃えて、「劇場版は、既にTVシリーズを観た人も、もう一度観返したくなる作品になっている」と語った。

続いて、お気に入りシーンや注目してほしいシーンについて聞かれると、幾原監督は「サウンドは今回の映画の中で重要な要素」だと話し、さらにエンディング映像に仕掛けられた演出についても初めて明かし、1話~12話にかけてストーリー上で展開される内容を表現しているとのこと。このエピソードには、三宅さんは「鳥肌が立った」と興奮している様子を見せ、昴さんが「マジですか!知らなかった。気づいてました?」と会場へ問いかける様子も。客席から数名の手があがったことに一同驚きを隠せず、感嘆の声を漏らす一面も見られた。

引き続き、お気に入りシーンや注目して欲しいシーンについて、昴さんは、冠葉が自らの気持ちを吐露するシーンをピックアップ。「今まで冠葉が自分の気持ちをはっきりと言うことは多くなかったので、バシッと言い切ったところがとてもエモく、すごく印象に残っている」と話す。

良平さんは、完全新作パートで重要な場所となる「そらの孔分室」の演出について触れ、台本を読んだときは全然意味が分からなかったけれど、収録に臨んで映像を見て、「ああ!こうなるのか!」と納得がいく感覚になったのが10年前を思い出して懐かしいと話した。

また、荒川さんは、劇場版で収録し直したというプリンセス・オブ・ザ・クリスタルのアフレコ話や、新キャラクターのプリンチュペンギン(CV.上坂すみれ)が付けているスタイのリボンの色や演出で、「あっ!」という気づきと感動があったことを嬉しそうに語った。

続いて三宅さんは「お姉ちゃん!」と声を高らかにして、自身が演じる荻野目苹果の姉、荻野目桃果(CV.豊崎愛生)の魅力をアピール。「劇場版におけるお姉ちゃん(桃果)の美しさを見て欲しい」と語った。

ここで、劇中挿入歌のトリプルHによる新曲についての話題に。前編では「ROCK OVER JAPAN -トリプルH featuring プリンチュペンギン-」をはじめ、完全新録の「YELLOW BLOOD」「ファクトリー」がとある印象的なシーンで使われている。「YELLOW BLOOD」は、「ROCK OVER JAPAN」とテンションが似た盛り上がるサウンドで、ノリノリで歌えたという荒川さん。また三宅さんも、10年前に初めてトリプルHで「ROCK OVER JAPAN」をレコーディングした時を思い出しながら、当時の勢いを取り戻す気持ちで収録に臨んだことを話した。

映画の感想や制作秘話に花が咲く中、最後は登壇者から観客へ向けてメッセージが贈られた。

三宅麻理恵さん
みなさんとこの場でお会いできてすごい「デスティニー」を感じます!7月には後編もありますし、前編はまだ公開されたばかりということで、いろんな考察をしながら、より深くこの作品を愛してもらえればなって思います。

荒川美穂さん
今日は劇場版をご覧いただいたばかりの皆様と、この時間を共有できて本当に嬉しいです。これから後編も控えておりますが、まだまだ前編を何度も観て頂いて、「映像に注目してみる」「音に注目してみる」など、いろんな楽しみ方ができると思いますので、何度も楽しんでいただけたら嬉しいです。

木村良平さん
まずは本当に会場まで足を運んでくださって、直接観て下さったことを感謝致します。そして劇場で上映するための音で作られた映画を劇場で観ていただくのが一番贅沢だと思いますし、この時間が皆さんにとって良き時間になっていたらいいなと思います。繰り返し観て頂けたら嬉しいんですけれども、それ以上に、こうして10年越しに新たなものを作る機会に恵まれた作品なので、皆様の声でぜひ、この作品を知らなかったという人に新たに知っていただいて、たくさんの方に改めて観ていただけたらと思います。

木村 昴さん
今日、皆さんのお顔を拝見して、(登壇者の)みんなと色々なお話をして、改めて『輪るピングドラム』というすごい作品に携わっていること、すごく幸せに感じました。後編もまだございますし、ピンドラ旋風をともに巻き起こせていけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。後編でまたお目にかかりましょう。

幾原邦彦 監督
関係者一同優しい言葉が好きなので、優しい言葉で「ピンドラすごいぜ!」ていうのを広めていただけたらと思います。7月の後編公開に向けて、GWもスタッフは休まず作業をしています。そのスタッフの熱意を以て7月の公開に向けて頑張っていきたいと思っておりますので、皆様応援を宜しくお願いいたします。

写真=村山泰紀